若輩、無学の分際で、はなはだ僭越ではございますが、『商道塾』なるものを始めさせて頂きます。
昨今、商道徳が乱れ、『売ったもん勝ち』の風潮が蔓延しております。
また、和装業界においては、きちんと商品に対する勉強もしないで、口先に頼り、お客様のご厚意に甘えて販売しようという旧来の姿勢から全く脱却しておりません。
これでは『三方よし』の商いにはほど遠い、私はそう思います。
TV業界は視聴率競争に眼を奪われ、本来すべきである内容のある番組作りを忘れています。
物販業は、食品偽装に例を見るまでもなく、『バレなければいい』として、口をぬぐっている。
法律で強制されなければ、自らをただせない程、日本の商売人は堕落してしまったのでしょうか。
かつて、何故我が国の繊維産業は栄え得たのか。
それはもちろん、人件費の安さもあったでしょう。技術の高さもあった。
それ以上に、きちんと約束された品質・内容を守っていたからです。
その誠実さ、実直さに対する信用が日本人の宝であり財産であったはずです。
巨大輸出企業が、下請けを叩き回してこき使っても品質が落ちないのは、作り手である下請け企業の良心がまだ健全であるからです。
しかし、それも、かげりが見えています。
日本の匠の技、職人気質はどんどん摩耗し、失われていって居るのです。
何故、そんな事になってしまったのか。
経営者が顧みなくなったのは、下請けや協力企業だけではありません。
自らの従業員も不良債権・固定負債として、切り捨てようとする企業が増えているのです。
何故、そんな企業が増えているのか。
それは、株主資本主義が入ってきているからです。
経営者は社員の幸せを考えるより、株主・投資家のもうけを考える。
それが当たり前の様になってきています。
その会社にはつまり、『人』がいない。
人の居ない会社には心がないのです。
そんな事言っている甘い会社は、国際競争に勝ち抜けない。
そうでしょうか?
モノは人が造り、人が使う。
心の無いモノに人が魅力を感じるわけがないのです。
人の心を置き去りにして、経営戦略があるわけないのです。
もし、あるとしたら、それは野蛮な商売なのです。
従業員や協力会社がどうなろうと、構わない。
法律の範囲なら、何をしようが全く問題を感じない。
そんな事で本当に良いのでしょうか?
仕事や商売には競争はつきものです。
しかし、他者の命脈を奪うことはあってはならない。
私はそう思います。
人生も、企業の歴史も、山もあれば谷もある。
そういう中で、持ちつ持たれつ、助け合いながらやってきたのが私達日本人じゃないでしょうか。
かつて、『シマウマがライオンに食われるのは自然の道理だ』と言った経営者がいました。
その会社は今は象に踏みつぶされています。
しかし、その象も、巨体が災いして、エサが足らず、あちこちのサバンナをさまよい歩いてる。
残ったのは・・・そう、砂漠です。
私達はここいらでもう一度、正気を取り戻さないといけません。
せめて、きちんと、天に恥じない商売に戻さないといけない。
このページでは、時事問題も取り上げながら、商売というもの全般的に考え、現実に私が
携わっているキモノ、染織の製造、販売について考えてみたいと思っています。
一緒に考えて頂くための、資料もご紹介します。
大学でマーケティングを専攻し、実際にマーケターとして活動してきた経験を元に、企業
のマーケティング戦略も解き明かして行きます。
その中で、作る者、売る者のあり方を考え、消費者の立場としてどう考えれば良いのか
も、お話ししていきたいと思います。
鈴木大拙という宗教学者がこう言っています。
『必要なモノを必要なところに届けるのはホトケの道に通ずる』
私達は、どんな仕事にせよ、尊い大切な私達の仕事を汚してはいけない。
仕事を汚せば、人生も汚れるのです。
一緒に考えて頂ければと思います。